2015/02/03
わたしが還るところ
「Mitaka」というサイトがある。「国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト」というサブタイトルがついている。Wikipediaによれば「仮想宇宙空間シミュレーションソフトウェア」だそうだ。
数年前ウチの会社で「Mitaka」がブームになったことがある。広島大学天文台の取材で耳にして早速ダウンロードした。しかし、忙しさに紛れてブームはすぐに去ってしまった。

久しぶりに「Mitaka」を開く。
パソコンの画面に現れるのは、その日の午後8時の北の空。多分、三鷹の国立天文台から見た空なのだろう。
メニューから「離陸・着陸モード」を「水平線モード」にして、画面右下の「+」を押すと、三鷹を飛び立つ宇宙船から見る星空が展開する。飛び立って、視点はだんだん地球を俯瞰するようになる。
やがて、月の軌道が現れて小さくなり、火星、土星、木星・・・と、太陽系の惑星の軌道が、やはり現れては小さくなっていく。太陽系までも見渡せるところまで来たらしい。
このあたりまで来ると、「+」を押すのが面倒になり、カーソルの表面を指で動かしながらスムーズな飛行に入る。

太陽系の向こうに細かい星たちの群れが拡がる。いよいよ「宇宙」だ。「すばる」とか「ペテルギウス」が現れ、「1000光年」「3000光年」「1万光年」という表示が。それらを含む星々の塊が輝く円盤となり、「銀河系」の文字が現れる。「マゼラン星雲」とか「アンドロメダ銀河」が現れるのは「1000万光年」レベルだ。その外には、砂粒のような光が扇状に拡がる。

「Mitaka」は、こういう宇宙を見せてくれる。「全画面表示」にして、モニターの中で1億光年の旅をしていると、今ここにいる自分など塵芥よりも小さい存在なのだと、少しホッとする。「わたしが還るところは、ここなのかもしれない」と思う。

久しぶりに「Mitaka」を思い出したのは、先々週、このソフトの開発者のセミナーを聞いたからだ。広島大学出身の加藤さんという若い男性だった。
「Mitaka」の宇宙旅行の最後には、「137億光年」という輪っかの中心部分に扇状の輝きが2つの翼のように拡がって、やがて消えていく。セミナーでは「どうして扇状なんですか」という質問が出た。加藤さんが「宇宙のビッグバンが・・・」と説明したが、ほとんど理解できなかった。ビッグバンも宇宙の拡大もどうでもいい。宇宙がそこにある。それだけで、幸せだ。(Tレックス)


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